ローコストの手法

1階と2階の関係

 

総2階

日本は、2階建ての住宅が圧倒的に多いと思いますが、ローコストにこだわるなら、建物は総2階で、平面形は角が欠けていない四角形がおすすめ。

 

屋根や断熱材などの部材の量が最小限

 

屋根と外壁、外壁と外壁などの仕上げ材料の納まりが単純になる。外壁が単純なので、外部足場が最も簡単となる。柱や梁の構造体も最も簡単となる。当然のことながら、施工時間も短縮できる。これらの事から、おのずとローコスト住宅になります

 

おまけに構造的にも安定しており、雨や風などの影響も少なく、耐候性も高まります。つまり複雑な形になるということは、出っ張りや引っ込みが多くなり、そこから雨水が浸入したり、風を受けたりして老朽化しやすくなるのです

 

構造・工法について

木造の場合

 

木造

日本は木の文化といわれます。豊かな森林を利用して、古くから木材で生活必需品を作ってきました。家も例外ではありません。柱と梁を使って、美しくかつダイナミックな空間を生み出してきたのです。そこに用いられたのが、在来軸組工法です

 

しかし戦後の高度成長期の中で、経営効率を求めて北米の工法ツーバイフォーが日本に入ってきました。しかし、ツーバイフォーよりは在来軸組工法の方が安いし、完成度も高いのです。ローコスト住宅には、最も適しています

 

経験豊かな大工さんを集めるのが楽

 

純国産の在来軸組工法の家のほうがたくさん建っていて好まれる

 

壁が少なくできて、日本の気候風土に合っている

 

 

わが国伝来の木造工法です。柱と梁を組み合わせて骨組をつくり、そこに筋交いといわれる補強材を入れることにより構成されています。美しい木肌を露出させ、柱、梁の架構を見せることが、この工法の醍醐味であり、日本の文化といえるでしょう。そして壁が少なく、風通しの良い大空間を生み出すことができるのです。窓も大開口が可能となり、内外との一体感や広がりに一役買うことになります

 

北米在来の木造工法です。厚さ2インチ×幅4インチの木材で枠を作り、それを構造用の板や石膏ボードでパネル化したものを組み立てることで、俳成されています。つまり在来軸組工法とは逆に、木肌を露出させず、柱や梁の架構を見せることもありません。構造的には、壁によって成立しているため、風迦しは悪く、問取りの変更にも対応しにくくなります。窓も大開口は難しく、比較的小さめとなります

鉄骨の場合

 

鉄骨

住宅でも2種類の方法が考えられますが、重量鉄骨構造よりは、軽量鉄骨構造の方が安いです。重量鉄骨構造は柱や梁のサイズが、20センチ角以上になりますが、軽量鉄骨構造は柱や梁のサイズが10センチ角程度になるため、木造と変わりません。少ない柱で大空間がつくれるのは前者で、その逆が後者です。しかし、重量鉄骨構造は大きな柱や梁が室内に出っ張るので、事業用ビルにはともかく、一般的に住宅には適しません。

 

軽量鉄骨構造がローコストの理由は
軽いので大きな重機がいらない

 

軽いので基礎も簡素化できる

 

大きな柱や梁が室内に出っ張らないので、仕上げの納まりが単純

 

鉄骨は重量、トン数で金額が決まるので、おのずと安い

 

 

プレハブ化された量産住宅に多く用いられる構造で、規格量産化されているために安価で、工事行程の短縮が図れます。柱や梁が木造と同じくらい小さいので、室内に飛び出すこともなく、平面計画における制限は、在来軸組工法とあまり変わりません。

 

地震の時には

 

風に吹かれる柳の枝のように、しなりと動く「柔構造」となるため有利です。基礎にややコストがかかりますが、全体としては木造と大差ありません。ただし、柱や梁は壁の中に隠してしまうことが普通なので、木造のように構造体としてダイナミックに見せることはできません。

 

仕上げ工事

建築の仕上げ工事は、大きく二つに分類することができます。水を使いながら、工事を進行する「湿式工法」。左官工事やタイルエ事が該当します。伝統的な土壁や漆喰塗り、最近人気の珪藻土などが、この工法をとります。それに対し、水を使わず工事を進行するのを「乾式工法」といい、既成の工業製品や板を釘で打って止めたり、ビニールクロスをのりで貼っていく工事が代表的

 

両者を比べますと、圧倒的に乾式工法の方が安い

 

その差は何倍にもなります。ローコスト住宅では、この方法を主力とします。また職人さんの数も、圧倒的に乾式工法のほうが多いのです。効率を重んじ、利益を重んじる近代化の流れでしょう。しかし、木造住宅には土壁などの「湿式工法」が望ましいものです。というのは、木は呼吸をしています。同じ「湿式工法」でも、モルタル(セメント、砂、水を混ぜたもの)で塞ぐと呼吸ができません

 

ボード張りのような乾式工法では、壁の中や天井裏などに換気口をとることが大切ですね。もっとも、天井を張らなかったり、尉や柱を露出すると、木の呼吸を妨げませんから、いいですね。

 

ローコスト住宅をつくるには
建物の形

 

階数

 

部材数

 

単純な四角形

 

平屋建て

 

少ない種類・材料

 

 

できるだけ、低層階にしましょう。同じ床面積でも、3階建てよりは2階建てのほうが、2階建てよりは平屋建てのほうが安いものです。もっとも平屋については、それを許す広い土地が必要ですが。高層にすると高くなる理由としては、次のようなこと

 

高い足場を立てる必要が出てくる。高所での作業となるとどうしても作業時間がかかりがち。手間のかかる階段が登場する。設備配管も縦に長くなる。

 

部材数

各部の納まりや仕上げを、できるだけ少ない種類、そして少ない材料で終わらせましょ。例えば、天井の廻り縁や幅木までも省略すると、どうでしょうか。これらは、なくても生活に支障はきたしません。それによって収まりも、単純になります。

つまり、職人さんの人数や時間が減らせるからです

それから一軒の家の仕上げを床、壁、天井、すべて木だけで済ませたとします。そうすると、仕入れは材木屋さんだけ、職人さんは大工さんだけとなり、安くなりますね

 

床を木材、壁はタイル、天井はビニールクロスにしたとすると、どうなるでしょうか

 

仕入れは材木屋さん以外に、タイルメーカーとビニールクロスメーカーが加わってきます。また職人さんは、大工さん以外にタイル職人さん、クロス職人さんが必要となりますね

 

職種が少ないということは、使用する材料の種類が少なく、大量仕入れによっては、安価にもなります。職種を減らす事が可能なら、こんな手も考えてみてはいかがですか。木造なら平らな屋根よりは、勾配屋根が安心ですね。一般的には、切り妻、寄せ棟、等々…しかし、納まりも部材数も職人の手間もかかります。そうなると勾配屋根の中で、これ以上ない単純な形が、片流れなのです。

 

屋根の折れ曲がりがないので、工事が簡単。屋根の折れ曲がりがないので、漏水の危険性も小さい。大工さんや防水屋さんなど、職人さんの作業時問が最短。雨を受ける軒樋も、一方向の片面だけとなり最短。

 

間取り 壁や建具を最小限に

間取り

部屋を小割りにするのはやめましょう。わが国の気候風土に相反します。風水でも禁じています。仕切るのは、納戸やダンス部屋、そして水回りだけがいいですね。壁を少なくして大空間で使用すると、気分も開放的だし、工事費も安くできます。個室に子供を押し込めて、いいことがありましたか?

 

世間では犯罪の若年化が叫ばれています

 

子供が小さいときは、部屋を大空間で使用して、成長して必要なときがきたら、仕切るのも手です。そして何よりも、風通しが良くなり、シックハウスが軽減でき、将来のリフォームもたやすくできます。家族のコミュニケーションも抜群、まさにいいことだらけですね

 

いきなり完成品の家を手に入れるのではなく、未完成の状態で手に入れ、徐々に手を加えていく、という発想も必要かもしれません。そして、子供が家を出た後には、壁を取り去り、また大空間を楽しむこともできます。

 

水回り 一ヵ所に集中させる

水回りをIヵ所に集中させましょう。それもできれば1階に。そして必ず、鬼門、裏鬼門、中央は避けましょう。台所、お風呂、トイレなどがくっついていると、排水や給水、給湯などの設備配管が最短となります。当然、家事動線も短くなり、機能的にも便利ですね。1階と2階に分かれるときには、真上にくるよう、重ね合わせましょう。階上の音の問題も、階下が同じ水回りだと気になりません

 

万一、水漏れしたときでも、階下が同じ水回りだと被害は最小となりますし、気分的にも楽です。これが、寝室や和室の上だと一大事です。そもそも、どこにあっても良しとしない水まわりは、昔から災いの種。例えば湿気がこもったり、においがただよったり、火事になったり、家にとってはろくなことがありません。それが分散されるとなると、当然、家相風水も悪くなるので、ご注意を。

 

納戸と食品庫の活用

納戸

収納が少ないと、せっかくの家が台無しです。新しい家ができたといえども、結局は、物が室内にあふれてしまいます。そこで各部屋を狭くしてでも、十分な収納を取ることをお勧めします。例えば、あなたの希望ではLDK20畳、主寝室8畳、子供部屋6畳、客室8畳だったとします。もちろん、それぞれの部屋に押入れはあります。それをLDK16畳、主寝室6畳、子供部屋4・5畳、客室6畳に一回り小さくするのです。そしてその代わりに、6畳の納戸や4・5畳の食品庫をとるのです。

 

こういう話は、奥さんは大賛成ですが

 

ご主人は見た目の部屋の広さを、という傾向があります。やはり家のことは奥さんに任せっきりというご主人が多いためか、収納の大切さがいまいちわからないのでしょう。悪いことは言いません。ここは一つ、主婦の言うこと、そしてわたしの言うことを信用してみてください。そこでさらにローコストの手法です。押入れや収納をたくさん設置すると、それだけ圈納戸、食品庫がある間取りで大工手間や材料、時間までもかかってしまいます。壁も多くなりがちですね。作り付け家具なんかは、もってのほか。家具工事よりは、大工工事のほうがはるかに安いものです

 

そこで押入れや収納のかわりに、部屋として納戸や食品庫をしっかり取り、持っていた家具を入れて再利用すると、どうでしょうか。最低6畳は確保したいものですが、できればそれ以上の広さが、欲しいものですね。そうすると、作り付け家具も不要、持っていた家具も捨てなくてすむし、収能力アップ、一石二鳥ですね。

 

設備について 必要最低限で十分

エアコン

エアコンに頼らない生活を基本としましょう。よくみなさんに言う話ですが、一年のうちエアコンがどうしても欲しい季節は、2、3ヵ月でしょう。その他の大多数の季節は、自然を利用して、季節を楽しむくらいの気持ちが欲しいものですし、そのほうが健康にもいいものです。エアコンはシック(ウスの一因ですから

 

どうしても採用する場合は

 

新製品ではなく前年度の売れ残り品や型落ち品がお得です。機能的にはほとんど変わりません。別の方法としては、本工事から切り離して、完成後、家電量販店で買って取り付けてもらうのも手です。しかしこの場合は、取り合いが難しくなり配管も露出しますので、デザイン的にはよくありません。工事期間中にこの方法を採用しますと、配管は露出せずきれいですが、本工事の請負業者とのとりまとめが面倒です。設計事務所と相談して、いい方法を実行しましょう。

 

照明

現代において家を考えるとき、照明は明るければいい、という気持ちでいきましょう。そうすると、1個1500円程度の白熱灯でも十分です。そして昔から言われるように、火の光に近いと、精神的にリラックスもできます。また、壁や天井の埋め込みタイプにすると、コストアップにつながりますので、直付けタイプにしましょう。そのとき、スポットライトを採用すると、自由度が増し、楽しいですよ。

シーリングライト

 

シーリングライト

天井に直付けするタイプで、ごく一般的です。蛍光灯は寝室や居間で、白熱灯は廊下やトイレで多く見られます。天井から厚み10センチ程度下がりますので、デザイン的にはすっきりしませんが、ローコスト住宅には最も適しています

ペンダントライト

 

ペンダントライト

天井からひもでぶら下がるタイプで、食堂のテーブル上でよく使用します。白熱灯だと食事をおいしく見せることができるのです。天井面から数十センチ下がりますので圧迫感はありますが、うまく使えばローコスト住宅に適しています

ブラケットライト

 

壁に付けるタイプで、様々なデザインがあります。明るさは小さめなので、廊下やトイレ、浴室で使用し、その他の部屋では、他の照明器具と併用して使用されることが多いです。白熱灯だと器具も小さく、おしゃれなものが多いので、ローコスト住宅にも適しています。逆に蛍光灯は大きくて、野暮ったくなりますし、ローコスト住宅には適しません。

 

住宅設備機器

洗面化粧台

洗面器や便器、浴槽も安価なもので十分。ないよりはあったほうがいいに決まっています。物自体よりも、スペースがあることが大切なのです。私どもの事務所では、洗面器は定価で10万円程度が多く、洗面化粧台はデザイン的に好ましくないので、採用しないことが多いですね。

 

便器

 

温水洗浄便座

温水洗浄便座で20万円程度を採用していますが、洗浄方式はサイホン式としています。洗い落とし式が最も安価ですが、流す音が大きいため採用していません。浴槽は置き型で、定価が15万円程度のものをよく採用しています。洋風バスで長さは1500ミリあり、寝そべられるくらいゆったりしています。また、タイル張りの床にただ置いているだけなので、複雑な仕事にはなりません。

 

流し台

 

流し台

流し台も、定価50万円程度のもので十分に使えます。IHクッキングヒーターで、食器洗浄乾燥機も付けられます。L型ではなく、I型が安いので、平面計画から注意しておきましょう。ただし同じ商品でも、扉の仕上げレベルにより価格が上下します。少なくとも定価で70万円以下、実行価格で50万円以下になるようにしましょう。メーカーと工務店の関係によって、定価からの値引率が全然違います。大事なのは定価ではなく、実行価格だということに注意しましょう

 

I型のキッチンを使って、対面カウンターにするのは問題ありませんが、最近人気のアイランドにするのは、コスト的に不可能ですね。それを希望する場合は、段差が10センチつきますが、I型のキッチンに連続してカウンター天板をつけましょう

 

 

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